自然情報

ヤママユの繭 2022.01.23

落葉した木の枝先にポツンと枯れ葉が付いていました。葉っぱの中には冬には似つかわない明るい黄緑色のものが見えます。これはヤママユという蛾の仲間の繭で、中には蛹が入っていました。秋には羽化しているので、今この繭は空っぽです。繭が作られたのは林が緑に覆われていた初夏で、その頃は繭の色が葉に紛れて保護色となっていたのです。鮮やかな装いのままの繭は、冬の森の中で過ぎ去りし夏の彩りを教えてくれているようでした。

(学芸課 皆木宏明)


シリウス 2022.01.16

冬場は大気の動きが大きく、星の光がよく瞬きます。宵の南の空で目立つおおいぬ座の一等星シリウスも、この大気の影響を受けてきらきらと輝き、まるで虹のように色々な色がついて見える夜もあります。

(学芸課 太田哲朗)


三瓶自然館の回廊に現れたジョウビタキのオス 2022.01.09

鮮やかなオレンジ色が一際目を引くジョウビタキのオス。三瓶自然館の長い廊下で出会いました。オスの黒い翼に白い斑のように見える模様から、紋付き袴姿になぞらえて「紋付き鳥」と呼ばれることもあります。メスは薄茶色の地味な色なのでちがう種類のように思われがちですが、じっくり観察すると翼に同じような白い斑があり、尾羽を頻繁に上下させる行動も同じです。

ジョウビタキのオス
ジョウビタキのメス

(学芸課 星野由美子)


しぶんぎ座流星群 2022.01.02

しぶんぎ流星群は、ペルセウス座流星群、ふたご座流星群と並ぶ三大流星群の一つです。活発に活動する時間が短いのが特徴ですが、今年は1月4日の夜明け前、午前6時ごろが極大と予想されていますので、島根での4~5時台は1時間に何十個という絶好の条件となりそうです(図の流星はイメージです)。

2022年1月4日午前5時ごろ、島根の星空

(学芸課天文事業室 竹内幹蔵)


トラノオシダ 2021.12.26

2022年の干支である寅を名にもつ植物はいくつかありますが、トラノオシダは身近でみられるひとつです。細長く伸びた葉の様子を、虎の尾に見立ててといわれています。

(学芸課 井上雅仁)


葉痕 2021.12.19

冬の季節、「葉痕」を探してみませんか。枝から葉が落ちた痕(あと)を葉痕(ようこん)といいます。 葉痕には、水分や養分の通り道である維管束のあとがあり、それが顔のように見えるものがあり、森の中のこびとを見つけたようで楽しくなります。葉痕は1cm未満のものが多いので、探すときには虫メガネを忘れずにお持ちください。

ウリハダカエデの葉痕

(学芸課 松村美雪)


オリオン大星雲 2021.12.12

今ごろの夜8時ごろ、南東の空にオリオン座が昇ってきています。オリオン座の三つ星の下のあたりに、ぼんやりと光が広がっている場所があります。宇宙をただようガスが光って見えている、散光星雲と呼ばれる天体です。この星雲は肉眼でもよく見えることから、オリオン大星雲と呼ばれます。この星雲の中では、新しい星が誕生しています。

(学芸課 矢田猛士)


コウモリの冬眠 2021.12.05

12月から3月頃まで、島根に生息するコウモリたちは冬眠をします。エサの昆虫が少ない時期は眠って耐え凌ぎます。冬眠場所は種によって違い、樹洞や屋根裏、洞窟や廃坑など様々です。食べ物が多くなる春まで寝て待つ姿は、究極のエコ生活と言えそうです。

冬眠するユビナガコウモリ

(学芸課 安藤誠也)


黒雲母 2021.11.28

三瓶山周辺の地面に陽が当たると、キラキラと光って見えることがあります。それは火山灰や溶岩に含まれる鉱物の結晶やガラスが光を反射しているからです。目を凝らしてみると、黒色や金色をした薄い粒が見つかります。なんとなく六角形をしているような気がしてきたのなら、それは黒雲母という鉱物の結晶でしょう。みなさんも小さな宝石探しにチャレンジしてみませんか?

登山道で拾った黒雲母の結晶
三瓶山の溶岩(デイサイト)に含まれる黒雲母(矢印)

(学芸課 今井 悟)


日中はお休み 2021.11.21

ヒメツユムシは林に暮らす、体長1センチほどの小さなバッタの仲間です。木の幹や葉の裏などに止まっている姿が見られ、日中は1日中動かずじっとしたままです。その理由は、この虫が夜行性で、昼間は休んでいるからです。サヒメルの玄関先にも止まっていることがあるので探してみてください。

ヒメツユムシ

(学芸課 皆木宏明)