扇状地(沖積錐) 2022.04.03
河川が山地から平地に流れ出る所にできる扇子のような形の地形として「扇状地」を習ったことを覚えている方も多いと思います。西の原は、男三瓶と子三瓶から崩れてきた土砂が“扇谷”から流れ出ることでつくられた扇状地です。
扇状地の中でも、主に土石流によってできる、小規模で傾斜の急なものを「沖積錐」ということがあります。西の原に点々と転がるデイサイトの岩塊は、土石流によって運ばれてきたものなのでしょう。沖積錐は傾斜が急な場合が多いですが、西の原の傾斜は概ね8度程度で、沖積錐としては緩やかなようです。地形的に、土砂の供給量や土石流の発生数が少ないことが影響しているのかもしれません。
悪天候のため、今年は火入れがおこなわれなかった西の原。火入れができれば、地形がもっとよく見えるようになるかもしれません。来年を期待して待ちたいと思います。
![](https://www.nature-sanbe.jp/sahimel/wp-content/uploads/2022/04/20220403_imai_senjochi-900x675.jpg)
(学芸課 今井 悟)