暮らしがもっと楽しくなる、美味しい食材に出会う旅へ!Sunday Market CiBO 板倉さん(2)

2023.03.13

 

―日本の郷土料理にも通じますね。

 

イタリア料理の主な調味料はオリーブオイル、塩、ビネガー、ハーブと、とてもシンプルで、素材の味をダイレクトに感じます。
 

郷土愛が強いイタリアでは、みんな地元のオリーブオイルを好んで使います。
 

日本でいえばお醤油のような存在でしょうか。

 

 

2003年にイタリアに渡り、老舗カフェのシェフや現地の方に向けた料理教室の講師を経て帰国されたんですね

 

イタリアに住んで10年経った頃に一度日本に帰ってみようと思い、20143月に帰郷しました。
 

戻った当初、出雲ではイタリア料理に使うフレッシュなハーブや西洋野菜の入手が困難だと思っていましたが、探してみると身近に小規模ながらいいものを作っている生産者さんがいることを知りました。
 

実は、目指す「スローフード(ファストフードの逆)」「スローライフ」は身近にあったんです。

 

 

―都会と違って、島根は人との縁が繋がりやすいですよね。

 

 


ハーブ農家の「izumoクオーレ」の今岡幸子さんもその一人です。
 

出雲平野の豊かな土と水に恵まれた自分の畑で、化学肥料や農薬を使わず、自然の力で育てることにこだわったハーブづくりをされています。 


 


 

イタリア料理にはハーブが欠かせません。
 

ローズマリーはお肉の臭みをなくし、ミントは爽やかさを与えて味に深みを出します。

 

 

ハーブと出雲の藻塩をブレンドした従来の「ハーブソルト」もいいですが、私はタイムが好きなので、今岡さんに相談してタイムだけが入ったオリジナルヴァージョンのソルトを作ってもらいました。
 

お魚にも、お肉にも、どんな料理にも合いますよ!
パンナコッタにかけると塩味が甘味を増してくれます。
 

銀座でミニファーマーズマーケットをした際に今岡さんのハーブソルトを試食販売しましたが、料理人や外国の方にも好評でした。

 


―拘りある農家さんとだからこそできるコラボレーション!
素材の隠れた魅力と新しい活用法を掘り起こして、新たな商品や販路を生み、生産者の活躍に繋げていらっしゃるんですね

 

 

 生産者さんと出会う度に、新たな発見があります。
 

「ホウレン草の根元のピンクのところは甘味がのっているよ」とか、「今年は暑かったらから皮が野菜の皮が硬くなったよ」「トウモロコシは夜に糖分をため込むから、朝どれが断然甘いんだよ」と教えてもらうことが、料理のアイディアにも繋がります。

 

 

また、出雲の農家さんでの話で、「ゴボウは栽培するのも収穫も大変で手間がかかり、やめたけど、なんかスーパーで買ったゴボウは違うに。手間かけて作って、収穫して、洗ってまでがゴボウだに。だけん、また作ることにしたに。」と聞いて、「手間をかける」楽しさや意味を知りました。
 

野菜を作る場所、人、それぞれのストーリーも味となるんだなと学びました。
 

現代社会では、忙しくてゆっくり食事をとれないことも多々ありますが、時間がとれるときにその地域で作られた食材を知って、自分で料理し、味わう「スローフード」を島根では楽しむことができます。

 

 
その「ストーリー」を、料理を通じて伝えていらっしゃるんですね。
先頃出版された料理本「マーケットから生まれる12ヵ月のイタリア料理」は、各月の旬の食材を使った料理が紹介され、料理の楽しさ、板倉さんの食への愛情が感じられます。

 

 

素材を生かし、シンプルな調味料で素材の組み合わせを大切にするイタリア料理を通じて、島根や出雲の野菜の美味しさ、楽しさ、生産者さんの魅力を伝えたい。
 

だから、東京の料理教室や出版イベントにも島根の野菜を送ってもらうようにしています。
 

これからも生まれ育った出雲、東京、イタリアの3拠点で活動し、心豊かな暮らしに繋がる食の楽しさを伝えていきたいと思っています。

 

 

 

 

*板倉さんのオススメのプチエコ*

料理のアクセントになり、リラックス効果もあるハーブを取り入れて、香りのある生活を楽しんでみませんか。好きな香りのハーブを育てて、フレッシュな葉を白湯に入れるだけで豊かな気持ちになれます。沢山収穫出来たら乾燥しておきましょう。ハーブティーの他、塩を加えてオリジナルハーブソルトを作るのもいいですね。

お気に入りのオリーブオイルとハーブソルトを使えば、野菜、お肉、魚の美味しさが引き立ちます。

 

 

*取材した感想*

 島根の食材が美味しい理由は、環境の良さと、その環境を生かして取り組む人々のストーリーがあり、それが味になっているからだと、板倉さんのお話から気づかされました。その環境を次世代のためにも守っていかなければなりません。そのために何が出来るか、日々の食から心が豊かな暮らしを考え、楽しく実践していきたいと思いました。(2022年8月取材)

 

 

   

 

 

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